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PS(プロジェクト管理)モジュール&WBS

初めまして。SAPコンサルをしています、たんしです。

2020年の4月に某企業に就職し、7月の初アサインからSAPプロジェクトに携わっています。
アウトプットや自分の理解の整理を含め、これから何回かにわたってPSモジュールについてまとめていきますので、ご覧いただけると幸いです。

目次

PSモジュールとは

PSモジュールとは長期間にわたる工事やサービス提供における収益/費用管理をするためのモジュールです。
産業機器やプラントなどの個別受注生産(ETO: Engineering To Order)をおこなう会社や、コンサルティングなど長期のサービス提供をする会社が使用することになります。

なぜ収益/費用管理が必要か
見込み生産(MTS: Make To Stock)をおこなう製造業と比較して考えてみたいと思います。
通常の製造業の場合、仕入れ、製造から販売まで基本的に年単位の長い期間は要しません(今回の場合は仕入れから販売まで2か月)。

画像1

しかし、産業機器やプラントのETOの場合、完成(完工)までの期間が長いため、下の図のように約2年もの間売上を計上せずに、仕入れと資材投下だけをすることになります。

画像2

そこでPSモジュールを使って、収益認識基準に応じて収益を認識していくことが必要になります。

収益認識の種類
収益認識の方法は主に3つあります。
工事進行基準
工事(製造)の進捗度に応じて収益を認識する方法。

例)予想される収益(計画収益)200、予想される原価(計画原価)100の場合
N期(初期)で50費用が発生した場合
工事(製造)の進捗率: 計画原価100÷実際原価50=50%
認識すべき収益: 計画収益200×工事(製造)の進捗率50%=100

工事完成基準
工事(製造)が完成して初めて収益を認識する方法。
完成までに発生した費用は未成工事支出金(製造業で言う仕掛品)に振り替え、工事(製造)が完成したタイミングで原価を認識する。

原価回収基準
工事が完成するタイミングもしくは工事の進捗率を合理的に判断できるまで、発生した費用と同額の収益を認識する方法。
※工事完成や進捗率が計算できるようになったタイミングで工事完成基準や工事進行基準に切り替えるのが基本です。


プロジェクトマスタ

PSモジュールではTr-cd:CJ20Nでプロジェクト定義とWBS要素を登録します。
プロジェクト定義
プロジェクトマスタの最上位階層。
プロジェクト定義の下にWBS要素を紐づけることで収益/費用管理をする。

WBS要素
プロジェクト定義の下に紐づけて、収益/費用管理をするオブジェクト。
会計伝票や発注伝票、受注伝票にWBS要素を紐づけて登録することで、WBS要素に収益/費用を計上する。
費用管理用のWBS要素は工事や製造のフェーズ(設計、調達、製造)など、費用を管理したい粒度で登録する。

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PSモジュール(WBS要素)での収益/費用管理のイメージ

①Tr-cd:KKA2(結果分析)
会計伝票などからWBSに計上した収益/費用を基に、Tr-cd:OKG3で設定した収益/費用認識基準に応じて、認識すべき収益/費用などの値を計算し、COSBというテーブルに格納します。
②Tr-cd:CJ88(WBS決済)
Tr-cd:KKA2(結果分析)でCOSBに格納した値を用い、Tr-cd:OKG8の設定に従って会計伝票転記、Tr-cd:OKOAで設定したPA転送構造や配分構造に従い、COPAなどのオブジェクトへ決済をおこないます。

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今回はPSモジュールの概要部分をお話しさせていただきました。
プロジェクトマスタの登録や結果分析、WBS決済で必要になるコンフィグについては次回で詳しくお話しようと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。

posted @ 2022-07-11 17:38  riittou  阅读(757)  评论(0编辑  收藏  举报
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